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マウンテンバイク

この冬は寒い。外気はマイナス10度である。しかし外は雪で真っ白だ。森が誘っているような気がしてくる。さっそくマウンテンバイクを取り出して外に出る。タイヤのグリップは良くないが車が走った跡の森道なら走行は可能だ。下り坂でスピードを出してみる。ハンドルを取られるがなんとかこらえる。と、思ったら雪まみれになっていた。アドレナリンはただでかなり効果の高い薬だ。中毒にもなりえない。いや、問題はアドレナリン中毒になるとさらにスピードを求めるようになる事か。

友達とフランケンシュタイン城にマウンテンバイクで去年の夏に登ったのが事の始まりだった。奴からマウンテンバイクを借りて、行ったのであるが、奴は下りの森道を役時速60キロで降りていった。後ろからのろのろと付いて行くと驚いた歩行者が道端の岩の上に立ちすくんでいたりする。「どうもすみません。」半分謝りながら僕は奴の後を追った。友達は今度は急に左折し木の間を縫って下って行った。枝が跳ね上がり、ハンドルの振動が激しく腕や肩に伝わる。後輪が滑り、前輪が宙に浮く、しまったと思ったが、何故かペダルの上に足は乗ったままで先に進んでいた。しかし、奴は視界からとうに消えていた。あの無謀な滑降は弁護士であるからこそできる仕業なのかもしれない。その数ヶ月後の秋に奴は一人で山道を猛烈なスピードで下っていた。そして濡れた枯れ葉に罠が潜んでいた。奴は吹っ飛び、車までやっと自分で歩いてたどり着いたという。左腕と膝を打撲、かなり彼女にしかられたらしい。一人では危ないのは確かだが、奴の一回5時間走行にはそうそうは付き合っていられない。

先日の気温はマイナス3度。まあ、然程寒くはない。トロンボーン奏者の織田氏が来ていた。彼を誘ってまた雪の森に繰り出した。僕は普通の自転車であるが、大阪育ち、雪の走行初めての織田氏のマウンテンバイクよりは安定した走行ができると予想した。この予想ぴったりと当たって、嬉しくも彼は転んでくれた。おっとっと版からスッテン版と色々芸を見せてくれた。関西人頑張れ。当日は小一時間しか乗らなかったが、持って行った水筒の水は氷がかっていた。

友達の薦めで買ったキューブ社のマウンテンバイク、なかなか調子が良い。さて、次回はどこへ。