>
Homepage



キックボクシング 

僕はキックボクシングをしている。スポーツ空手ともいい、型よりも対戦重視で、どちらかと
言えばテクワンドウに近い。当時のトレーナーはガッチリ型85キロ級のドイツ人の黒帯、
体重と反比例な奇麗な動きを示した。会員は大人から子供まで。会費は一年で4千円。こ
ちらでは多いい村の体育館でボランティアがトレーニングしているクラブである。
簡単に会員の例を紹介します。ミハエルは空港で探偵の仕事に就いている。毎日自転車で往復
50キロを走るという身長187の猛烈パワーマン、その14歳の息子も参加している
が、なんと190cmもある。ミラードは現在トレーナーで当時は週2、3回40キロを
自転車で通勤していた、工具の販売員。ウーヴェは数学と体育の先生。プロテスタント教
会の神父まで何回か参加していた。

トレーニングは週二回。金曜は今は子供のみ。月曜は大人のみ。月曜はウォームアップにサッ
カーをする。当時は裸足のサッカーをした。かなり厳しいものになる。タックル毎きで
はすまない。人を投げたり、押えたり、なんでもオーケーだった。体の大きなドイツ人を
相手だとかなり厳しいが、そこをスピードでカバーする。まるでブンデスリーガで頑張る
日本人選手のようだ。体育の先生とトレーナー、を除くと皆さほどうまくなかった。団子
サッカー状態だ。しかし何時しか元サッカー部の若い青年が参加しだし、体力のみのプ
レーから高度なテクニックが応用されるようになり、いつしか皆シューズを履いてプレー
するようになった。試合中の投げもなくなった。という事でビリビリという音と共にシャ
ツが敗れたり、空手着の紐の部分がもぎとれたりする事はなくなった。僕のスポーツ目鏡
が見事破壊された。今でもこの暖気運動のサッカーでケガ人はでる。キックボクシングで
はほとんど出たことがないのに。もともとは縄跳び等でウォームアップをした事もあった
が、とにかく青年達をクラブにキープするにはアトラクションが必要だという事でサッ
カーになった。数少ない女子も一緒にプレーする。
狂ったサッカーの後は真面目な練習が続く。型に続き、取り組み、防衛、スパリング。これが
かなり頭に血を登らせる。特に若者は最初は平和にキックやジャブを出すが、避ける筈
が、ジャブに向かってしまったりする者がいる。アドレナリンラッシュだ。会社員、2児
の父の目の奥に静かに火がともる。もうそうなると映画ファイトクラブの世界である。外
観にこそ出さないが、ジャブがパンチに変り、マウスピースをしていて良かったと思う事
になる。目ももうつりあがり、必至に2分のゴングを待つ。そして、新たなスパリング
パートナーと挑戦する。とは言ってもこのキックボクシング部はセミ・コンタクトであ
る。つまり当たってなんぼという点数評価なので基本的には剣道と同じようなシステムで
ある。アタマに当たれば2点。胴体は一点といった具合だ。

かなりボロボロになって練習を終える。最後にシャワーを浴び、夏は外で夏時間の最後の太陽
の下でビールを飲む。自転車で5分という便利な所にあるのでなんともいいのだ。



homepage